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ハインリッヒの法則とは?労働災害を防ぐための重要な2つの理論とヒヤリハットのポイントを解説

ハインリッヒの法則
お悩み社員

・ヒヤリハット活動の重要性を社内で共有したいので、理論を深く知りたいな

・ハインリッヒの法則なら知ってるけど、ハインリッヒは他にどんなことを提唱したのかな?

・ヒヤリハット活動を活性化するにはどうしたらいいのかな?

そう考える方もいらっしゃると思います。

本記事ではそのお悩みに応えるかたちで、労働災害防止に関する理論とヒヤリハット活動のコツを解説していきます。

ハインリッヒの法則(労働災害理論)とは?

ハインリッヒの法則

米国のハインリッヒは、1931年に「労働災害理論」において労働災害の重大性ごとに分類し、ハインリッヒの法則という形で整理しています。

1 件の死亡または回復不能を伴う労働災害の発生に対して、29 件 の軽症の労働災害、さらに 300 件 の障害を伴わないヒヤリハットが付随しているというものです。

この知見から、軽微な事故の発生件数を減らすことで重大事故の発生件数を減らすことができる可能性があると述べています

また米国のバードは、「重大事故:軽傷事故:物損事故:ニアミスの比率を1:10:30:600」、そしてイギリスの保険会社は、「重大事故:軽中傷事故:応急処置を施した事故:物損事故:ニアミスの比率を1:3:50:80:400」と示しています。

ここでのニアミスとは、事故に至らなかった人的エラー(由来は航空機の接触事故を起こしそうになった状態)のことです。

ハインリッヒが唱えた労働災害ドミノ理論とは?

ハインリッヒは前述の法則だけでなく、「産業災害防止論」の中でもう1つの理論「労働災害ドミノ理論」 を提唱しています。

これは労働災害は種々の要因の連鎖の結果生じるとするもので、発生系列および時系列順に5つの要因を想定しています。

労働災害のドミノ理論

労働災害ドミノ理論

  1. 家族および社会環境:人間は遺伝的素因・生活環境から形成された特性を持つ(組織の不適切な管理)
  2.  人的欠陥:その中で個人特有の欠陥 が形成される
  3. 不安全状態や不安全行動:その欠陥が行動の不安全行動を引き起こす(不適切な管理から不安全状態も生まれる)
  4. 事故:その結果、災害が発生する
  5. 傷害:その災害に巻き込まれ、傷害が起こり会社の損失が生じる

という5段階です。

企業の安全管理活動で取り除けるものは、③の不安全状態や不安全行動です。

したがって事故・災害を防止するためには、不安全行動と不安全状態の2つをなくせばよいのです。

不安全行動と不安全状態とは?

不安全行動とは、災害や事故の要因を作り出した労働者の行動を指し、機械の指定外の使用、危険場所への接近、服装や保護具の欠陥などがあります。

不安全な行動を是正することによって、同種の災害を防止できます。

不安全状態とは、災害や事故を作り出した物理的な状態もしくは環境をいい、機械自体の欠陥、保護具の欠陥、作業環境の欠陥などがあります。

この不安全状態も、是正することで災害を防止できます。

またハインリッヒは、労働災害報告書の分析から労働災害の原因の88 %は不安全行動から発生するとしました。

また10%は設備機器の不安全状態、2%がそれ以外の原因であるとしています。

不安全状態と不安全行動を合わせると98%は予防可能と述べています。

教育・学習や訓練、職場の運転・設備の状態を管理することで98%は管理できることとなります。

ヒヤリハットを活性化する4つのポイント

前述の2つの理論より、300の労働災害やそこに到達する前の不安全行動や状態を放置せずに、ひとつずつ対処していくことが重要といえます。

1.全員での活動とする

一人ひとりが気づいた、経験したヒヤリを申告し、それを全員で共有していきましょう。

必要であれば防止対策をとり、同じヒヤリを繰り返さない活動とすることが重要です。

2.提出件数を目標にしない

提出件数に目標を設定したり活動に工夫を凝らすと、提出件数が膨大になり、受け取る管理者側も評価に追われ目を通すことも困難になります。

出されたヒヤリハットをみんなで考え共有することが重要です。

3.対策に力を入れる

「せっかく提出したのに対策できずに音沙汰なしか」がヒヤリハット活動の意欲を低下させます。

大事な案件を放置させない、ということを念頭に置きましょう。

4.想定ヒヤリも取り入れる

ヒヤリハット活動が深化してくると、顕在ヒヤリ(実際に怖い、危険と感じたこと)の報告よりも潜在ヒヤリ(もし間違えたら危険だ、もしこの部品が壊れたらプロセス変動が大きいな、など)という気がかりや想定事象が増えてくるはずです。

まとめ

今回の記事はいかがでしたでしょうか。

ハインリッヒの法則に基づき、摘出した軽微な労働災害あるいはヒヤリハットへの対策を継続し続けることが職場の安全成績向上につながります。
ぜひ参考にしてみて下さい。

  • この記事を書いた人

しば

30代前半、製造現場の最前線で管理者を務めています。 文献や実践から得られた学びをこのブログを通じてみなさんと共有していきたいと思います。

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