生産性・仕事術

生産現場のDX推進とは?経産省のDX情報を簡単にまとめてみました

生産現場のDX推進とは?経産省のDX情報を簡単にまとめてみました
DXが進んでいる会社はどんな特徴があるんだろうか。どんな取り組みを推進しているのだろうか。

そう考える方も多いかと思います。

今回はその疑問に答えるために、DX企業の特徴をまとめたのち、具体的な事例について解説していきたいと思います。

経済産業省の資料を基に簡単にまとめましたので、ぜひ一読ください。

DXとは?

DXとは、デジタルトランスフォーメーションのことです。単なるデジタル化とは一線を画すものです。

  • デジタルトランスフォーメーション:組織横断、全体の業務・製造プロセスのデジタル化、顧客起点の価値創出のための事業やビジネスモデルの変革
  • デジタライゼーション:個別の業務・製造プロセスのデジタル化
  • デジタイゼーション:アナログ・物理データのデジタルデータ化

あらゆる要素がデジタル化されていくSociety5.0に向けて、既存のビジネスモデルや産業構造を根底から覆し、破壊する事例も表れてきているなど、DXは中長期的な企業価値向上において重要になっています。

経済産業省では、DXの裾野を広げていくために、DX銘柄の選定も行っています。

経済産業省ではDXのイメージを以下のようにとらえているようです。

生産や開発の現場では、デジタルツールを用いた「生産性向上」「新たな付加価値創出」が期待されています。

サプライチェーン、エンジニアリングチェーン、どちらにも使えるものであり、どの現場でも検討の余地があるのです。

DX推進企業の特徴とは?

以下はDX推進企業の4つの特徴です。

  • DX銘柄に選定される企業は、デジタルなガバナンスコードに沿った活動がなされている。
  • DX銘柄のみならず、DX注目企業も同様。また、DX認定申請企業も同様の傾向である。
  • DX銘柄企業とDX認定未申請企業との差は「ビジネスモデル」「戦略」「予算」「挑戦のしくみ」「トップとDX担当役員とのコミュニケーション」において大きい。
  • DX銘柄企業は、ROEが高い傾向にある

やはり戦略策定や予算確保が従来からしっかりできている高収益企業かつ大企業に強みがあるようです。

わたしの推測ですが、DX推進ができているから高収益、というよりは、DX戦略を綿密に立てられる企業には高収益の企業が多い、ととらえるほうが良いかもしれません。

以下は経産省の加速シナリオにおける変革プロセスの図です。

「DX推進指標」という経産省が打ち出した自己診断を提出した企業の中でも95%はにほとんど取り組んでいない段階であることがわかっています。

先行する企業だけがビジネスにおける価値創出の中心をデジタルに見いだしており、企業文化を変革することが求められているようです。

DX推進企業のグランプリ企業の事例(2社)

推進企業のグランプリに選ばれた企業の例を示します。

グランプリに選ばれる企業は、DXを主軸において働き方やビジネスモデルの変革に着手しています。

単なる現場の改善ではなく、実際に企業の利益に貢献するレベルまで到達している企業が選ばれるのではないでしょうか。

企業価値を高める≒企業の時価総額を高める姿をイメージして取り組まねばなりません。

2021年度:日立製作所

日立製作所のLumadaは、顧客データからデジタルイノベーションを加速させるための日立の先進的なソリューションサービスです。

すでにLumadaを活用したビジネス創出、人財・体制確保がなされるなど、DX主体で企業変革が成されている優良企業と言えます。

2020年:コマツ製作所

2015年から取り組んできたスマートコントラクションが表彰対象となっています。

建設機械の自働化、施工オペレーションの自働化・高度化を進化させているとのことで、IoTデバイスなどを活用しながら施工のDXを進めているそうです。

自働化、無人化、遠隔操作化、デジタルツインなどの解決策を目指しているとのこと。戦略としてシンプルでわかりやすいですね。

DX推進企業の優良事例(3社)

経済産業省による表彰対象会社より、2件ほど具体例を示します。

ダイキン工業「工場IoTプラットフォーム」

単独の工場のIoT化だけにとどまらず、海外拠点とリアルタイム生産データの共有を進めているのが特徴的。生産最適化、設計へのフィードバックが図られています。

トヨタ自動車「工場IoT」

こちらも工場のIoTですが、デジタルデータの一元管理に主眼を置いた取組とのこと。

工場横断の統一プラットフォームでデータの共有化を図った事例です。

ダイセル「ダイセル式生産革新」

過去から取り組まれているダイセル式生産革新。現場のノウハウで有益なものを抽出し、それをデータベース化する、というものです。

20年続けてきた取組みのデータベースをブラックボックスとすることなく、現在も運用し続けているとのことです。

これはベンダーに頼りがちなDXにおいては、重要な思想だと感じました。

まとめ:デジタル化は急速に加速している

今回は「生産現場のDX推進とは?経産省のDX情報を簡単にまとめてみました」と題してお話してきました。

DXは単なるデジタル化ではなく、デジタル化によって企業価値をどうやって高めていくか、まで思考していく過程が重要なのだと改めて感じました。

ベンダーが勧めてきたDXツールをとりあえず試してみました、という考えではなく、DXも含めた自分たちのシステムや製品の価値はこれだけ向上します、というのが言えるかどうか。

どの職場でもお悩みの問題かと思いますが、事例も参考にしながら一歩ずつ進めていきましょう。

  • この記事を書いた人

けびん

30代前半、製造現場の最前線で管理者を務めています。 文献や実践から得られた学びをこのブログを通じてみなさんと共有していきたいと思います。

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