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【労働安全】リスクアセスメントとは?生産現場の安全確保の方法を解説

労働安全リスクアセスメントとは?

職場の労働安全の改善につながるリスクアセスメント活動について解説していきます。

お悩み社員

・どうしてこんなにリスクアセスメントに力を入れないといけないの?

・リスクアセスメントって基本的に面倒なものだと思ってるけど、具体的なやり方を再確認したい

そんな悩みをお持ちの方も多いかと思います。

確かにリスクアセスメントは面倒なものかもしれません。しかしそんな考えではいけないとわたしは考えます。

危険なものが危険なまま。あるいは改善したいものが山積みで、職場のメンバーは対策が終わっていないと不満ばかりになってしまうからです。

そういった状態を回避するためにも、ぜひリスクアセスメントに取り組んでいきましょう。

生産現場で働くわたしが、リスクアセスメントについて解説していきたいと思います。

生産現場で扱う物質の中では、火災・爆発危険性、健康有害性、環境影響などを引き起こす物質もあります。

よって安全に取り扱うために、危険に至る要因を把握し、物質の潜在危険源を評価し、設備・操作およびおよび管理上の適切な対策を施す必要があるのです。

この記事を読めば、以下のことがわかります。

この記事でわかること

  • リスクアセスメントの歴史と必要性
  • リスクの抽出に必要な情報とアセスメントの手順

ぜひ記事の最後までお付き合いください。

リスクアセスメントとは?その歴史と必要性

リスクアセスメントとは、職場の潜在的な危険性または有害性を見つけ出し、これを除去・低減するための手法です。

労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS:Occupational health ~)に関する指針では「危険性または有害性などの調査及びその結果に基づき講ずる措置」の実施が明記され、2006年4月以降には努力義務化されました。

リスクアセスメントの歴史

またリスクアセスメントの発祥はイギリスです。

1991年イギリスの安全衛生庁はガイダンス文書「成功する安全衛生管理」を発行し、リスクとは「発生確率」と「影響度」の産物であることを明確にしています。

日本に持ち込まれたのは1999年です。

労働安全衛生マネジメントシステムが公表され、事業者は「計画・実施・評価・改善」というサイクルに基づき安全衛生活動を推進し始めました。

リスクアセスメントが必要な理由は?

災害が発生していない職場でも潜在的な危険性や有害性は存在しており、これが放置されるといつかは労働災害が発生する可能性があります。

また技術の進展により、多種多様な機械設備等が持ち込まれ、その危険性や有害性が多様化してきています。

よってこれからの安全対策は、職場の潜在危険性や有害性を抽出し、事前に的確に対策することが重要です。

管理者側の目線に立つと、安全配慮義務の観点から、危険予知の義務があるため、リスクアセスメントを履行する必要があります。

安全配慮義務についてはこちらからご覧いただけます。

関連記事安全配慮義務違反とは?罰則や過失相殺を含む3つの判例付きで解説

リスクアセスメント導入効果

リスクアセスメントを導入することによる効果、メリットは以下の通りです。

直接効果

  • 現場のリスクが明確になり、管理者まで含めた職場全員で共有できる
  • 現場の作業者の意見が反映され、優先順位付けした上で費用対効果の高い対策が実施できる
  • 管理者は安全配慮義務を実行できる

間接効果

  • 安全の感性が向上する
  • リスク対策の方法が蓄積される
  • 経営資源を有効活用できる

危険分類や重篤度などを活用してリスクを定量化することで、あれやりたいこれやりたい、とまとまりのなかった対策の優先度を定めやすくなるわけです。

日常の業務の流れに、リスクアセスメントの評価結果を反映させることで、安全化に関する予算確保もしやすくなるでしょう。

職場のメンバーが納得するカイゼンを図っていきましょう。

危険性または有害性の情報集方法

職場において、潜在化している危険を見つけ出し、

「危険を危険として認識する」

ことは安全対策の出発点です。

  • 社内:作業手順、災害事例、ヒヤリハット報告、トラブル事例
  • 社外:厚生労働省の職場の安全サイトで提供する災害事例、海外の災害事例

などを活用していきましょう。

社外で起きている労働災害情報を収集したい場合には、以下の厚生労働省のホームページが便利です。どうぞ参考にしてください。

外部リンク職場のあんぜんサイト(厚生労働省)労働災害事例

英語の勉強ついでに海外の事故事例も一読してみては?1000を超える事例が保管されており、便利です。

外部リンクEU Major Accident Reporting System(英語サイト)

リスクアセスメントの手順

リスクアセスメントの基本的な実施方法を解説していきます。

概略では以下の4段階の手順です。

  1. 危険性または有害性の特定
  2. リスクの見積もり
  3. リスク低減のための優先度の設定、リスク低減措置の内容検討
  4. リスク低減措置の実施

過去に労働災害が発生した作業、ヒヤリハットが発生した作業など労働者に直接かかわる危険性や有害性が予見できる場合には、調査対象とする必要があります。

実施時期

労働安全衛生規則上の実施すべき時期は以下の通りです。

  • 建設物の設置、移転、解体時など
  • 設備、原材料等の新規採用、変更時等
  • 作業方法の新規採用、変更時等
  • 業務に起因する危険性または有害性等に変化があった時

設備やプロセスの「変更」を伴う場合には、必ずリスク評価をしましょう、というものです。

また既存の設備、作業等についても毎年定期的にリスクアセスメントを実施し、その都度リスクを見積り、優先度の高いものから低減措置を実施するなどしてリスクを除去・低減していくことも求められています。

危険性または有害性の特定

作業標準手順書など入手した情報に基づき、危険な設備、機械、環境、不安全鼓動、化学物質、騒音、など職場に潜む危険性や有害性などを定めた分類に沿って特定していきます。

危険性の分類例

  • 機械等による危険性
  • 爆発性物質、発火性物質、引火性物質、腐食性物質などによる危険性
  • 電気、熱その他のエネルギーによる危険性(アーク等光エネルギー等も含む)
  • 作業方法から生ずる危険性
  • 作業場所に関係する危険性
  • 作業行動等から生ずる危険性
  • その他の危険性(もらい事故など外部影響)

有害性の分類例

  • 原材料、ガス、蒸気、粉じん、酸素欠乏空気、病原体、排気、廃液、残渣
  • 放射線、高温、低温、超音波、騒音、振動、異常気圧
  • 作業行動・姿勢(腰痛などにつながるもの)

このとき、深夜業、連続する単純作業等による集中力の欠如などの危険性も考慮する必要があります。

リスクの見積もり

リスクの見積もりの段階に関して、指定された方法はないですが、重篤度と可能性の度合いを数値化し、加算・乗算して見積もる方法があります。

「負傷または疾病の重篤度」「発生の可能性の度合」の区分を設定し、以下のように配点を行いましょう。

重篤度評価点備考
致命的10死亡災害や身体の一部に永久的損傷を伴うもの
重大61か月以上の休業災害や多数の被災者を伴うもの
中程度31か月未満の休業災害や一度に複数の被災者を伴うもの
軽度1不休災害や、かすり傷程度のもの
頻度評価点内容
頻繁41日に1回程度
時々2週に1回程度
滅多にない1半年に1回程度
可能性評価点内容
確実である6安全対策がなされていない。表示の不備
可能性が高い4防護柵や防護カバーがない。あっても不備がある
可能性がある2防護柵・カバーはあるが、危険領域への侵入や接触が防ぎきれない
ほとんどない1危険領域への立ち入りが困難な状態

個別の配点をおこなったら、リスクの大きさを以下の式より求めましょう。

  • リスクポイント=重篤度+危険状態の発生頻度+災害にいたる可能性

この見積もりに関しては、3~6名程度の関係者で話し合いながら意見をまとめていきましょう。

リスク低減のための優先度の設定、リスク低減措置の内容検討

リスク低減のための優先度は、リスクレベルの高い順に設定することになります。

先ほど計算したリスクポイントに応じて、優先度を決めます。

リスクレベルリスクポイントリスクレベルの内容
12~20安全衛生上、重大な問題あり。リスク低減措置を直ちに行う
8~11安全衛生上、問題あり。リスク低減措置を速やかに行う。
5~7安全衛生上、多少の問題あり。措置の実施まで、適切に管理する
3~4安全衛生上の問題は、ほとんどない

検討に際しての注意事項は以下の通りです。

  • 法令に定めている事項は最優先
  • 管理面の対策や保護具の使用に安易に頼らないこと。作業の廃止・変更および工学的対策をまず検討し、やむを得ない場合に管理面・保護具の措置をとること
  • 措置を講じることで新たなリスクが生じる場合もあるので、措置後のリスク、有効性や改善効果を確認すること

 

実施例

*調査中

まとめ

今回は「【労働安全】リスクアセスメントとは?生産現場の安全確保の方法を解説」というタイトルでまとめてきました。

職場の危険性と有害性を可視化して、みんなで納得して対策していく。

そんなPDCAを回しながら安全な職場を目指していきましょう。

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  • この記事を書いた人

しば

30代前半、製造現場の最前線で管理者を務めています。 文献や実践から得られた学びをこのブログを通じてみなさんと共有していきたいと思います。

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