ヒューマンエラー

指差し呼称とは?労働災害防止の手段の解説と4つのポイント

指差し呼称
お悩み社員

・指差し呼称がなぜ必要なのかうまく説明できないな。

・指差し呼称のひとつひとつの行動にどんな意味があるのだろうか?

こんな方も多いかと思います。

本記事ではそんな方へ向けて指差し呼称の目的と効果、実践方法を解説していきます。

「自分の身は自分で守る」を実践するための必須ツールとしてぜひ使いこなせる職場をつくっていきましょう。

指差し呼称とは?概要と目的

労働災害の発生は人のエラー、特に「うっかり」「ぼんやり」「勘違い」が主原因であるといわれています。

無意識のうちに行動してしまって発生するヒューマンエラーに対して、その行動を意識化するための手段として指差し呼称・危険予知(KY)が有効となります。

指差し呼称はJRで開発された手法であり、100年以上の歴史があります。

作業対象が正しいか誤っているかを観察する、また正しいと思ったが本当に良いか確かめる、という行為を通じて実施します。

指差し呼称の効果

人間はもともとエラーするのが当たり前といわれる動物です。

m-SHELモデルの記事で述べたように、不完全な人間の特性を考慮してその周囲(ハードウェア、ソフトウェア、環境、周りの人)とのずれが生じないように行動または改善していく必要があります。

指差し呼称は、省略や近道をしたがる心に歯止めをかけるため、作業の要所要所で、指を差し声を出して、本当に良いか(周囲とのずれが無いか)かを確かめるために必要不可欠です。

人間の情報処理のミスをカバーしてくれる効果が検証されており、指差し呼称は手軽なわりに安全に対して効き目のある行動です。

鉄道総合研究所の実験では、指差し呼称をする場合、何もしない場合に比べてヒューマンエラーの発生確率が1/6になるというデータが得られています。

指差し呼称の具体的な方法とポイント

4つのポイントに絞って解説していきます。

ポイント1:意識レベルの5段階

橋本邦衛教授が提案した、意識レベルの5段階という考え方があります。

指差し呼称を行うことで、脳の覚醒が促され、意識レベルが下表の「Ⅲ」に近づき、正確度を高めることができます。

フェーズ意識の状態注意の作用生理的状態信頼性
0無意識・失神ゼロ睡眠、脳発作ゼロ
意識ぼけ不注意疲労、単調、眠気、酒酔い0.9以下
リラックス心の内方へ安静、休憩、定常作業時0.99~0.99999
クリアーアクティブ・前向き積極活動時0.999999以上
過緊張一点に固執感情興奮時0.9以下

ポイント2:指差し呼称の正しいやり方

指差し呼称

指差し呼称の方法(出典:厚生労働省HP)

指差し呼称のやり方は以下の通りです。

  1. 指を対象物に指す
  2. 対象物をしっかり観察する
  3. 指を耳元へ振りかざす(0.5秒の間をあけて本当に良いか確かめる)
  4. 確認対象に向かって振り下ろす

ポイント3:指差しのコツ

手を動かすと動かした方向に自然と顔が向きます。

また指を差した方向に自然と目線が向くようになります。

人間の特性として、目線・視線が向けられている部分しか解像度高く見ることはできず、その他外界はぼんやりと見えています。

したがって意識的に対象を指差しして目線でとらえることで、効果が期待できます。

また0.5秒間を置くことで、反応時間の遅れを防ぎさらに正確性が向上します。

ポイント4:呼称のコツ

人間の特性として、力強く発声することであご筋肉の動作などを通じて大脳が刺激され、活性化されます。

したがって指差しとセットで活用することで意識レベルのフェーズを適正にする効果が期待できます。

大原則:最終的に自分の身は自分で守る

今回は「指差し呼称とは?労働災害防止の手段の解説と4つのポイント」について書いてきました。

「自分の身は自分で守る」という大原則を職場の仲間に意識してもらい、指差し呼称の効果を共有・浸透させていきましょう。

きっと職場の仲間を想うみなさんならば、大切な手段として使いこなしていけるはずです。

  • この記事を書いた人

けびん

30代前半、製造現場の最前線で管理者を務めています。 文献や実践から得られた学びをこのブログを通じてみなさんと共有していきたいと思います。

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